神経が生きている歯に白い詰めものをする場合 Ⅰ

以前、コンポジットレジン充填(白いつめるタイプのもの)があまり普及していない頃、「アマルガム充填」と言って銀色のつめるタイプのものがありました。

これは歯を削って虫歯の部分を除去して、そのまま詰めるのですが、この銀色の部分が腐食したということがよくありました。

そういう歯に対しての対応は、その歯が神経のある歯であれば、麻酔下でその腐食した銀色の部分を除去して、「軟化牙質(いわゆる虫歯の部分)」を除去して、神経を鎮静する詰めるタイプや塗るタイプの薬をつけて、大きいのであれば更に形成(形を整えること)をして型をとります。

そして、後日金属のつめるタイプの「インレー(In)」が入ります。

さほど大きくないのであれば、コンポジットレジン充填のような白いキレイなつめるタイプのものを詰めます。

これでそれぞれが完成です。

ここで神経の生きている歯で重要なのは「覆髄(ふくずい)」と言って神経を鎮静する薬を使用することが肝要です。

かなり神経に近いところに虫歯が進行していたとしても、この覆髄を的確に行うことによって「しみた」り「痛んだ」りということが大幅に軽減されます。

この「覆髄剤」というものも現在、色々なタイプの、色々な種類のものも薬効(薬の効果)も様々なものが発売されていますので、私たちとしてもそれらを使い分けていくことが肝要だと思っています。

歯が痛くなった時に考えられるのは・・・

まず考えられるのは虫歯が進行して、歯髄(神経)まで到達してしまったときです。

虫歯になり、エナメル質、その下の象牙質に行って、更に進行して歯髄まで及ぶというのが、最も多いケースです。

神経までいかない場合は前述の、「覆髄(ふくずい)」を、虫歯の部分を除去して(もちろん麻酔下で、です)、そこに塗ったり詰めたりします。

神経まで行っていないのであれば、その上に形を作り、詰めたり被せたりすれば治ります。

ただ、神経まで到達しているのであれば、神経の治療が必要になってくる場合が多いです。

これは当然そのままでは「痛い」ので、麻酔下(麻酔をして)、行います。

根の中にお薬を詰めて回復を待って、根の中に「土台」(コアと言いますが)を入れて補強して被せます。

神経の治療をした歯牙は、どうしても神経の生きている歯よりも弱くなってしまうので補強してあげることが肝要なのです。