人工甘味料であるキシリトールは、甘さは砂糖と変わらないと言われていますが、独特の清涼感があり、人によっては、不自然な甘さを感じる場合もあるようです。 ところで、人間の味覚は三歳頃までに完成すると言われており、例えば、この時期にキシリトール入りのお菓子のみを与えていると、どうなるでしょうか? その子は、恐ろしいことに、果物、野菜、肉などの自然の甘さを美味しいと感じなくなるかもしれません。 したがって、幼少期にキシリトールを過剰に摂ることは正常な味覚の発達に多大な影響を与える可能性があるので、一定の年齢になるまでは、あまりキシリトールガムを食べさせないようにしたほうが良いかもしれません。 キシリトール以外の歯科予防の代表的な方法として、他にフッ素塗布等がありますが、キシリトールガムやフッ素等の受動的な予防法に頼る前に、むしろ、自分の歯は自分で守る、という積極的な意識を持つことが最も大切であると思います。 例えば、あなたたちに、お子さんやお孫さんがいらっしゃるのであれば、その子たちの間食については、どうされているでしょうか? 現在のように、食べ物が氾濫していると、どうしても甘いジュースやお菓子等を必要以上に与えてしまっていないでしょうか? そして、食べにくいからと言われて、軟食に偏っていないでしょうか? 皆さんに出来ることは、お子さんに間食には甘いものは食べないように習慣づけること、そして、食べたら必ず歯磨きをする習慣をつけること、更に、栄養のバランスがとれ、噛み応えがある食事を与えることにより、噛む回数を増やし、唾液の分泌を促し、食べ物本来の甘みをお子さんに感じさせることこそ、最高の虫歯予防だと考えることではないでしょうか? その上で、キシリトール等を併用することにより、初めて、より良い虫歯予防が可能になると思います。